豊臣秀吉による朝鮮出兵(1592-1598)の際、日本に連れ帰られた朝鮮人陶工のもたらした技術をもとに、17世紀初頭、佐賀県有田町の地で作り出された日本初の磁器・伊万里焼。伊万里焼は当時高級品として珍重されていた中国陶磁を模倣し、国内の上層階級に浸透していきました。初期の段階では、白磁に青い文様が浮かぶ「染付」が中心に作られましたが、17世紀後半には大航海時代の流れに乗って、ヨーロッパへ運ばれる輸出磁器として大きく発展し、国内外からの需要により製磁技術も洗練されていきます。18世紀中頃になると伊万里焼の輸出がしだいに減ったため、新たな市場が求められて庶民階級にまで普及し、江戸時代を通じて作り続けられました。
本展示では、世相を反映し、需要に応じて変化していった古伊万里の変遷を解りやすく辿ります。(約100点出展)