日本画家の秋野不矩(あきのふく、1908‐2001年)、梶原緋佐子(かじわらひさこ、1896‐1988年)、北澤映月(きたざわえいげつ、1907‐1990年)は、京都画壇出身の女性画家です。三人とも京都で絵を学び、秋野と北澤は新人の登竜門として知られてきた京都市美術展覧会に作品を出品し、その実力を磨きながら認められてきました。秋野と梶原は、後に京都市美術展覧会の審査委員を務めるなど運営にも尽力しています。
また、秋野と梶原は昭和8年に大阪・京都の女流7人で結成した七草会のメンバーであり、昭和12年に結成の春泥社メンバーとしても互いに交流を深めています。
本展では、女性風俗や歴史上の人物を描き院展で活躍した北澤映月、下層の女性の生活に即した絵から出発して昭和に入り明るい色彩と明確な線で女性を描き、主に日展で活躍した梶原緋佐子、自身の子どもを描くことから始めて人物画に精力的に取り組み、後にインドをモチーフにした作品を制作した創画会の秋野不矩、これら三人の作品を通じて、京都画壇の女性画家の一時代を展覧します。