私は、ピッピ・ロングストルンプ。今から65年前、1945年にスウェーデンのアストリッド・リンドグレーン(1907~2002)の書いた物語の主人公で、日本でも『長くつ下のピッピ』の名で少しは知られた9歳の女の子です。この展覧会は世界的な児童文学作家リンドグレーンの物語を挿絵や絵本原画で紹介しようというものです。
私は、面白いこと、人を楽しませることが大好きです。私の突拍子もない行動は、大人を困らせることが多いけれど、私は平ちゃら。なぜって、私は自分の意見をはっきり言っているだけだし、何より仲間の子どもたちがいつも応援してくれるからです。私が起こす騒動ってみんなが心のどこかでしてみたいと思っていることじゃないかしら…。リンドグレーンは、生涯にわたり、このように子どもの意見に耳をかたむけ、その心を大切にする物語を書き続けてくれました。そして、彼女が物語の中に創りだした生き生きとした子どもたちの夢の世界は、挿絵や絵本によって、もっと楽しいものとなってきます。
この会場では、私をスウェーデンで初めて描いたイングリッド・ヴァン・ニイマン、日本で人気者にした桜井誠、コラージュという紙貼り
の技法を使って表現したローレン・チャイルドや、リンドグレーンの子ども時代の思い出から生れた物語『やかまし村の子どもたち』『エーミルとちいさなイーダ』を描いたイロン・ヴィークランド、ビヨーン・ベリイなど、7人の作家の約170点の絵を観ることができます。日本で初めて紹介される絵もあります。リンドグレーンが私たち子どもの世界をどんな温かな眼差しで見ていてくれたか、この会場の絵を観みれば、すぐにわかってもらえると思います。
絵の中の私、ピッピは、みなさんと会える日を楽しみに待っています!またね!