2008年11月、釜山市立美術館と福岡アジア美術館は、釜山広域市と福岡市の行政交流都市提携20周年を記念して、相互協力の協定を結びました。そして、昨年、釜山市立美術館で開催した「福岡アジア美術館所蔵品交換展―見知らぬ地図」(2009年9月26日~12月6日)に続き、今年は、福岡アジア美術館で釜山市立美術館のコレクション展を開催します。
本展では、主に1940年代から現在までの韓国美術を、時代の移り変わりとともに紹介します。釜山の町並みや人々をあたたかな眼差しで描いた具象絵画から、静謐な空間的広がりを感じさせる70年代の抽象絵画、そして民主化を求めた80年代、社会の中で生きる人々の生きざまに迫った釜山の「形象美術」へ。さらに、韓国現代美術を語るに欠かせない作家を含め、活気ある釜山の現代アートシーンも紹介します。これまで日本ではほとんど紹介されることのなかった韓国の近代美術を含め、さまざまな韓国の美術の波を、歴史的にたどることのできる貴重な機会となります。釜山市立美術館の魅力あるコレクションから選りすぐった76点をお楽しみください。
また、展覧会期間中には、これまで釜山や韓国と福岡を行き来してきた双方の作家たちの座談会のほか、韓国の伝統音楽の演奏や映画上映などの関連イベントも開催します。この秋は、韓国のアートに触れる“あじび”においでください。