いつの過去も、かつては未来だった――さまざまな人びとが、同じ意味の言葉を遺しています。人は当たり前のように過去を忘れ、未来を想像しつつ、否応なく現在(いま)に囚われて生きている――つまり不可逆的な時間の流れと、時間の中で人が生を刻んでゆくことと、その連続性に思いをはせた言葉なのでしょうか?
今回の「遭遇」展は、今日の現代美術とかつての現代美術とが遭遇し、その現場に観る方にも遭遇していただくための展覧会です。洋の東西、時代を越えて、世界有数の当館の現代美術コレクションと、展示する機会のない「大黒天立像」(重文)、「鉄佛餉鉢」(重文)、「九品曼荼羅」等の作品が遭遇する、混沌(カオス)とした空間を、観客の皆様に体験していただきたいと思います。