当館は平成7年(1995)4月に開館し、本年で15周年を迎えることができました。
昨今、長びく不況の影響などで美術館や博物館には厳しい時代が続いています。その中で当館が現在まで活動を継続しえたのも、多くの方々のご協力・ご配慮あってのことであり、ここに改めて御礼を申し上げる次第です。
さて、当館の開館には様々な目的があったのですが、中でも大きなウエイトを占めていたのが、「池田コレクション」の所蔵・展示場所としての役割でした。
「池田コレクション」とは、七尾市名誉市民であった実業家・池田文夫氏(1907~87)が生前に蒐集した美術品コレクションのことです。
氏は七尾市出身で、岐阜県大垣市を拠点に中部地方きっての経済人として活躍する一方で、美術品に大きな愛着を持ち、生涯にわたって多くの作品を蒐集しました。
そして氏の没後、昭和63年(1988)にその蒐集品より陶磁器や日本画など日本美術の作品計125点が、ご遺族のご好意により七尾市に寄附されました。しかし当時七尾市にはそれらの作品を所蔵・展示する施設が存在しなかったことから、美術館建設の話がスタート、そして当館が建設されることとなったのです。
その寄附された作品が「池田コレクション」で、当館所蔵品の中核として開館以後「所蔵品展」などで定期的に紹介してきました。その間、追加のご寄附などもあり現在コレクションは合計170点となっています。
本展ではその「池田コレクション」より、様々なジャンルの作品49点を紹介します。