隅田川は、江戸の人々にとって輸送の大動脈であると同時に、江戸の名所として、あるいは江戸の名所を数多く抱えた川として深く愛され、親しまれてきた川です。そのため隅田川や、隅田川周辺にある数々の名所は、江戸時代を通じて無数の絵に描かれてきました。当館でも、開館前より隅田川に関する絵については錦絵や屏風、絵巻などを収集してきており、ひとつのコレクションとなりました。
この展覧会は、当館が20年以上をかけて収集してきた隅田川の絵を初めてまとまったかたちで一挙に公開するとともに、他に所蔵されている名品とあわせて、描かれた隅田川の多彩な世界をご覧いただくものです。そして描かれた隅田川を通じて、江戸の文化や生活の中に根ざした隅田川というものを再確認していきたいと思います。
隅田川の絵が、これほどの規模で集まるのは初めてのことになると思います。是非この機会に、都市江戸の象徴のひとつである、隅田川の絵をご堪能下さい。