今から約1万3000年前、日本列島に出現した「縄文土器」は、基本的に煮炊き用の容器として作られ始め、以後、約1万年の間に莫大な量の縄文土器が残されることとなりました。各時期、各地域には、その形にも変化や変異があり、また煮炊き以外の土器も作られました。
しかし、そうした縄文土器の全てが解明されているわけではありません。いや、ほとんどが謎=〈ふしぎ〉に包まれているといってもよいでしょう。
例えば、だれが、いつ、どのように、または何のためにつくったのか?なぜ、その形になったのか?あるいは、どのように使ったのかなど、まだまだ解明してゆかなければならないことが多く残されています。
今回の展示では、そうした、〈ふしぎ〉に包まれた縄文土器のいくつかを選び、今日までの研究成果などもあわせて展示します。
また見学者の皆さまと共に、このふしぎな土器について考える機会とし、埋蔵文化財に対する理解を深める機会とします。