ロシアを代表するアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン(1941― )都その作品の多くの美術監督を務めるフランチェスカ・ヤールブソワ(1942― )夫妻の過去最大の回顧展を、ノルシュテインが愛する日本で開催します。
本展覧会のタイトルにもなっている彼の経験と想い出に基づく映画『話の話』(1979)は、1984年に国際的な評論家や企画者によって、「歴史上、世界最高のアニメーション」に選ばれました。“映像の詩人”とも呼ばれるノルシュテインは、鋭い観察眼から生み出された詩情溢れる映像世界を、繊細な切り絵による表現を用いて創り出します。その世界は人間や世界への愛情に満ちています。また、マルチプレーンと呼ばれる多層のガラス面に、切り絵を配置する手法によって創り出される彼独自の深い映像空間は、アニメーション・ファンのみならず、世界中の映像作家をも魅了してきました。
本展覧会では、ノルシュテインが監督をした8つのアニメーション映画に関する作品を中心に、ヤールブソワの美しいエスキースや、マルチプレーンを展覧会用に再現したマケット、絵本の原画など約900点を展示し二人の創作の秘密に迫ります。