本特集は、矢崎千代二(1872-1947)の明治期油彩画《秋の園》が近年発見されたことを機に、他のパステル作品とともに同作品を公開し、矢崎の明治期から大正、昭和期の画業を改めて見渡そうという試みです。初公開となる《秋の園》は、1900(明治33)年第5回白馬会展に出品された14点の油彩画のうちの1点です。矢崎は黒田清輝(1866-1924)に師事しており、渡仏後の黒田が日本の洋画界にもたらした外光派風の表現が、同作品からもうかがえます。少女に射しかかる光の表現や明るい色遣いなど、明治期の矢崎の画風の一端を示す貴重な作品といえるでしょう。
2010年4月10日(土)~5月9日(日)〔前期〕
2010年5月11日(火)~6月27日(日)〔後期〕