《展覧会は終了しました》
「かたちのちから」展は、目に見える「かたち」―人間が目に映る世界を整理して理解するために現実に当てはめている丸・三角・四角など―をキーワードに、近現代の美術を見ていこうという企画です。今回は主に大阪市立近代美術館コレクションから、日本の高度成長期―1950年代・60年代の美術を中心に取りあげます。
この時代の日本美術は、当時の経済・社会と同様、激動と発展の中にありました。その作品を「かたち」という観点から見てみると、現実によらない形を描く抽象美術や、現実を単純な形態で構成するタイプの具象作品は既に円熟に達する一方、多様化する作品の中には「かたち」からはみ出していくものも多くあります。
本展覧会では、40名あまりの作家による個性と多様性に溢れる約60点の作品を、あえて作者の意図や「~主義」「○○アート」という区分から離れ、作品と「かたち」との関係から3つの章に分けて展観し、従来の美術史的手法とは異なる視点で作品を紹介します。
作品を見るときの着目点の提案や問いかけなどをやさしく書いた、従来とはだいぶ違った感じの作品解説も好評です。
[出品作家]
泉茂、磯辺行久、今井俊満、今井祝雄、植木茂、上前智祐、浮田要三、瑛九、大野秀隆(俶嵩)、岡田謙三、オノサトトシノブ、金山明、菅野聖子、菊畑茂久馬、木下佳通代、草間彌生、久保晃、河野芳夫、小島弘、下村良之介、白髪一雄、菅井汲、鷲見康夫、高崎元尚、田中敦子、坪内晃幸、名坂有子、早川良雄、福岡道雄、正延正俊、松谷武判、三上誠、三木富雄、向井修二、村上三郎、持田総章、元永定正、山崎つる子、山沢栄子、山田正亮、山中嘉一、吉原治良(敬称略、順不同)