江戸時代に佐竹蓬平や鈴木芙蓉、明治期に菱田春草と、多くの画家を輩出した町・飯田は、古くより書画の鑑賞や和歌・漢詩の愛好など、風雅な文化が好まれた土地でした。なかでも書画愛好は大変に盛んで、鑑賞家や収集家も数多く生まれています。また、近隣には名勝地・天龍峡を擁することもあって、幕末期以降には多くの書画家や文学者がこの町を訪れ、当地の人々と交流しながら様々な作品を残してゆきました。
本年度の日本画平常展示では、菱田春草をはじめとする飯田出身の作家たちを紹介しつつ、また当地で収集された様々な作品も紹介します。飯田の町で親しまれた風雅な文化の諸相をお楽しみください。