暁斎の得意とした画題に「生物」があります。
暁斎は自らも猿や猫、鷭などの鳥を飼い、虫を捕まえて写生しましたし、弟子たちにも写生させていたことは明治二十年に出版した自伝的な版本『暁斎画談』にも記されています。
暁斎が描いた動物は、架空の神獣にはじまり、象やライオンなどの猛獣から犬・猫・兎といった愛玩動物、そして蛙や蝶などの小さな虫たちまで多岐にわたっています。
本展では、幕末の見世物で見られた猛獣たち、そして明治維新後に庶民に楽しまれた「イソップ物語」に登場する動物たちを案内役にして、暁斎の描いた生き物たちの世界をご紹介します。
迫真の写生図あり、戯画・風刺画あり、多彩な暁斎の生き物世界をお楽しみください。