西村義人の生誕100年を記念する展覧会を開催します。
西村の作品には、身の回りのどこにでもあるような風景、人物、静物が平明に描かれています。その描写には外連味のない誠実さと気品があり、見る人の心に心地よく飛び込んできます。一見、なんでもないような作品でも、強く印象に残るのは、作者の確かな造形力と一筆一筆に込められたリズムある息づかいに裏打ちされているからでしょう。
本展では、パリを描いた代表作「廃屋」、晩年の「七十三翁自画像」などの油彩を中心に、日常生活を感じさせる水彩、デッサンなど約50点を展示します。また、「真珠の女」も特別に出品する他、西村が熱意を燃やした美術教育の教材の一部とエッセーも並べ、画家西村義人の人間像に迫ります。