籔内佐斗司氏[1953(昭和28)年大阪生まれ]は、大学で彫刻を学び、文化財の修復を通じて、わが国の木彫像の伝統的な技法を修得しました。確かな技術を駆使して制作された作品は、鋭い機知とおおらかなユーモアをたたえており、多くの人に愛される魅力を備えています。現在は、創作活動や文化財保護の人材育成をはじめ、平城遷都1300年を記念した「せんとくん」のキャラクターデザインでもよく知られています。本展では、広く人気のある童子たちの作品と、近年の新たな展開である《平成伎楽団》などの新作も交え、 2部構成で作品をご紹介します。我々が馴染んでいる仏教的世界観・東洋的自然観に基づいた籔内氏の芸術世界、その技と心とを思う存分に楽しんでいただきたいと思っています。