岩手を代表するグラフィックデザイナー、杉本吉武(1944年盛岡市生まれ)は40年余マスコミに籍を置き、テレビ用のタイポグラフィ、コマーシャル等の制作をしながら、平行して自身の制作も行ってきました。
作品は、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ展特別賞受賞をはじめ数多くの賞を受賞し高く評価されています。
また、商品ロゴや県内施設のシンボルマークなど普段目にしているものの中にも杉本の手によるものが多く含まれています。
本展では、数多い杉本の作品の中から、主に「B2サイズのポスター」を紹介します。
「B2(72.8×51.5cm)」というサイズは、コンサート、演劇、展覧会をはじめとするイベントの告知など実用品として街角でよく見かけるポスターのサイズです。
実用品であるがゆえに一定の期間を過ぎると失われてしまうことが多く、振り返って眺める機会はあまりありません。
今回、このB2サイズの作品を一堂に会することで、杉本作品に通底するシャープさや明快さ、また、時代や当時の文化事情等をふりかえる機会となれば幸いです。