1960年代のニューヨークで隆盛を極め、今も世界中の人々を魅了しつづけるポップ・アート。大量消費・大量生産の時代、日常にあふれるコミック雑誌や、広告、映画スターの写真などのイメージを作品に取り入れた美術で、明るい色調とイラストのような親しみやすさをもっているのが特徴です。近年、再び大衆化や既存の美術作品のイメージを借用し、それをコンピューターグラフィックスや写真技術、印刷技術などを駆使して表現する美術が登場し、注目を集めています。
本展は、戦後アメリカ美術を収集する優れた企業コレクションとして知られるミスミ・アートコレクションより、1960年代のポップ・スターであるリキテンスタイン、ウォーホル、80年代に世界中のアイドルとなったキース・ヘリング、そして現在活躍中のヴィック・ムニーズ、マリーナ・カポス、デイヴィット・ラシャペルなど選ばれた100点を出品します。また、21世紀になってもなお、美術の中心的な役割を担い続ける絵画、そして相変わらずわかりにくいとされる抽象絵画について考え、ポップ・アートの重要な要素であるイメージに注目しようとするものです。