2010年は、「大逆事件」・「韓国併合」から100周年の年です。
水平社博物館では、今年の特別展(5月~8月開催)で「大逆事件」を、企画展(12月10日~来年3月27日開催)で「韓国併合」をテーマにした展示を開催します。
日清戦争から日露戦争に向かう過程は、日本における労働運動や初期社会主義運動が本格的に始まる時期でした。社会主義者たちは、日露戦争に一貫して非戦論の立場を貫き、植民地主義・侵略主義の「韓国併合」にも抵抗しました。
日露戦争によって拡大した財政や国民生活の行き詰まりを、国内的には「戊申詔書」発布以後の地方改良運動で、対外的には「韓国併合」によって一挙に解決しようとする政府にとって、社会主義者は“国賊”以外の何者でもなく、社会主義者を一掃しようと苛酷な弾圧を加え、「天皇暗殺計画」という「大逆事件」をでっち上げたのです。「韓国併合」と同年に「大逆事件」の検挙を開始したのは決して偶然ではありません。
本展では、「大逆事件」の歴史を検証して、部落問題との関わりについて考えてみたいと思います。