継体大王は謎の多い大王とされています。継体大王は近江あるいは越前の出身とされ、大王となってからも20年間、大和に入ることができませんでした。この継体大王と大王を支援する勢力の動向については、これまで文献史料からとらえていました。しかし近年、特定の考古資料からその動きをとらえることが可能になりつつあります。
継体大王の時代は、百舌鳥・古市古墳群の築造が終焉を迎えつつあり、新たな政治システムが模索された時代です。特別展では考古学的な成果を中心に継体大王とその時代について紹介するとともに、磐井の乱などの政治的な混乱を経験しながらも国家形成の歩みを強めて行く時代とその特質について考えてみたいと思います。