木城えほんの郷の春は、現代最高のネイチャーイラストレーター松岡達英(まつおか たつひで)さんの原画展です。
少年時代に昆虫をもとめて歩いたなつかしい自然がいつも心にあり、そんなところで過ごしたいと、2002年、松岡さんは、生まれ故郷に近い新潟県川口町にアトリエを構え、生活をはじめました。アトリエは、魚沼三山や魚野川が絵のようにみえる丘にあり、サケやアユがのぼる川にはミサゴやヤマセミもいて、支流にはトゲウオやホタルの幼虫が棲息します。近くの二子山には雪どけとともに、カタクリ、イカリソウ、ショウジョウバカマなど、春の野草が咲きみだれ、ギフチョウが舞う…。少年のころ故郷・長岡の山野で目にした自然がしっかりと、濃厚に残っています。
松岡さんは、ここに暮らしはじめて、この自然の穏やかさと奥深さに感動し、絵本にしました。『野あそびずかん』(`03年 福音館書店)です。子どもたちと遊び、里山の人々とふれあい、豊かな自然と遊ぶさまざまなヒントが、正確な観察とスケッチによって生き生きと描かれています。
最新作は、切り絵による絵本『チョキチョキおじさん きょうりゅう王国』。チョキチョキといろんな恐竜が作られ、恐竜王国へと送られていきます。色彩豊かな世界が展開する楽しい絵本です。あわせて4冊の絵本の原画展をお楽しみください。