福井県坂井市(財)丸岡町文化振興事業団が主催する“一筆啓上賞”「日本一短い手紙」と愛媛県西予市立美術館「ギャラリーしろかわ」で開催されている「全国かまぼこ板の絵」展(日本一小さなキャンパス)の作品があるきっかけで出会いました。そして、別々な想いの手紙と絵が一つになったのです。それは、世界一大きな感動の物語を生みました。
福井県坂井市にある丸岡城のふもとに「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥せ」の名文を刻んだ石碑があります。この名文は、徳川家の猛将・本多作左衛門重次が、陣中から留守を預かる妻にあてた手紙です。「何もかも焼き尽くす火事は恐ろしいものだ。くれぐれも火の元には気をつけるように。愛しい仙千代(重次の長男。後の丸岡城主となる本多成重)をしっかり教育するように。戦場では馬の善し悪しが命に関わることもある。いつでも良い状態の馬を補充できるよう、ちゃんと養っておくように」。”鬼作左(おにさくざ)”との異名をとった重次が、戦場という明日をも知れぬ境遇の中で、大切な人へ伝えた日本一短い手紙。このゆかりの地で、(財)丸岡町文化振興事業団は、“一筆啓上賞”「日本一短い手紙」を開催し、「母」や「父」「いのち」などテーマは多くありますが、毎年全国からたくさんの手紙が寄せられています。
愛媛県西予(せいよ)市では、毎年「全国かまぼこ板の絵」展を開催しています。その始まりは、南予町初の町立美術館として平成5年に建設された「ギャラリーしろかわ」が、洋画家の折笠勝之氏を講演に招いた際に、「絵はいつでも誰でも描ける」と、かまぼこ板に描いた油絵を残していったことがきっかけでした。日本一小さなキャンパスを舞台に全国から応募された作品には、それぞれの想いが込められています。
坂井市と西予市、遠く離れた二つの市が、あるきっかけで出会います。手紙と絵をコラボしよう!別々な想いの手紙と絵が一つになったのです。それは、世界一大きな感動の物語を生みました。
このたびの展覧会は、平成20年度に開催された「ことば文化交流シンポジウム」との出会いがきっかけで、「ことば文化都市」を提唱する伊丹市で、実現いたしました。