凛とし、清冽な眼差しを放つ北方の獣たち。北の自然環境に育まれたその姿形や生態は、今日にいたるまで、多くの画家たちを惹きつけ、彼らの想像力を挑発してきました。
本展覧会では、そうした画家たちの作品約60点を通じて、近・現代の動物表現に見られる北方性や獣性、そこに宿る神性をとらえなおします。
わたしたちが、古来、どのようなまなざしをもって獣たちに近づき、あるいは距離を置き、尊重し、愛し、崇めてきたのか。そして画家たちが、北方という固有の風土を背景に、獣たちの姿にいかに挑み、造形してきたのか。
絵画の上でざわめき立つ、峻厳な北辺の森と、画家たちの想像力。新たな命を吹き込まれた獣たちの姿をご覧ください。