黄金崎クリスタルパークは、日本でも数少ない現代ガラス専門の美術館として1997年に設立されました。設立以来、さまざまなテーマの企画展によって、現代ガラスの啓蒙普及に努めてまいりました。しかしながら、一般の現代ガラスに対する馴染み方はまだ十分とはいえません。
そこで今回は、そうした現代ガラスを、より一層親しんでいただくための企画展として、「くらべて楽しむ現代ガラス展」を開催いたします。ただ漠然と作品を眺めていてもなんだかよく分からない、といった経験をされたことはありませんか?展覧会を鑑賞する時のひとつの楽しみ方として、2つ以上の作品を「見比べる」という鑑賞方法があります。隣同士に並んだ作品を比べてみると、似ているところ、全く違うところがはっきりし、今まで気づかなかったそれぞれの作品の特徴も見えてきます。このように、作品と作品の間にあるつながりを考えてみる、一度つないでも、またほどいて新しいつなぎ方をさがす、といった積み重ねが、美術鑑賞をいっそう面白くするのではないでしょうか。作家、技法、制作年などが多様な作品から構成される本展で、ガラス作品を見比べてみてください。
本展では、作品をよりよく理解し、楽しむためのガイドとして、ワークシートをご用意しました。鑑賞する方々には、「好き・嫌い」から、もう一歩踏み込んだ視点で、それぞれの作品の特徴や魅力を感じとっていただければ幸いです。