日本画の伝統的なテーマの一つ「花鳥画」は,四季折々の花や鳥などを描いたもので,写実のみならず写意的あるいは装飾的に表現しながら,生命を感じさせる優れた造形性を見せてきた。現代では,このような伝統性を踏まえながらもより清新で個性豊かな表現が生み出され,一方,画家がその内面をモチーフに託した作品や新たな技法によるエネルギッシュな表現など,「花鳥画」という枠はこれまで以上に拡がっている。
この展覧会では,現在,独自の花鳥表現を展開している画家による多彩な芸術を通して,その現代的な新しい表現と,それでもなお底流している伝統性を浮き彫りにしながら,生き物への温かな眼差しや画面にあふれる生命力など,現在もなお変わらない「花鳥画」の魅力を19作家44点の作品により紹介します。ユーモアある動物たちの表情,のびのびと泳ぎ回る魚たち,そして美しく咲き競う花など,見ているだけで心ときめく作品をご覧下さい。