しもだて美術館に新たに収蔵された、洋画家、森田茂の作品を中心にご紹介する展覧会を開催いたします。日本の洋画壇において多大なる功績を残した巨匠 森田茂は、昨年3月2日、101歳の生涯を閉じました。筑西市名誉市民であり、1993(平成5)年には文化勲章を受章、茨城県名誉県民となるなど、郷土が誇る洋画家です。森田先生は、神輿や祭り、「黒川能」といった、祈りの心が込められた日本の土俗の文化に心魅かれ、画題として描き、日本人にとっての洋画はいかにあるべきかを探求し続け、独自の重厚な画風を確立しました。
このたび、森田先生のご遺族から、生まれ故郷である筑西市のために、油彩画18点、ならびに、素描画10点が、しもだて美術館に寄贈されました。森田先生には、生前にも3回にわたって貴重な作品の寄贈を受けており、今回とあわせると、計86点もの作品を、しもだて美術館に収めていただくことになります。これによって当館では、ひとりの偉大な画家の足跡を、初期から晩年までを通して、ご紹介することができることになりました。
今展では、下館の神輿を描いた2006(平成18)年の大作「夜半の祭」を始めとして、これら新収蔵となった森田茂先生の作品を中心に、当館が所蔵する名品の数々をご紹介します。