青銅鏡は、中国の代表的な金属工芸品として、古代より近世に至る長い期間製作されました。とくに秦漢時代(紀元前221年~紀元220年)から隋唐時代(紀元581年~907年)にかけて大流行しました。この当時、鏡は単なる姿見としてではなく、強い霊力をそなえ、現実に世界における様々な瑞祥をもたらす道具として珍重されました。鏡の背面には鏡の霊力の源となる文様が綿密にあらわされています。漢時代には当時信仰されていた神仙が、そして唐時代には様々な瑞祥をもたらす霊獣・霊鳥が描かれました。本展覧会では、このような漢、唐時代を中心に、戦国時代(紀元前5世紀~紀元前221)から明時代(紀元1368年~1644年)に至る青銅鏡約80面をご覧いただきます。