本展覧会は、やきものの見せる豊かな表情を以下のとおり3つのテーマに沿ってご紹介します。それぞれ前半、後半に分けて、近現代のやきものの楽しさを体感いただきます。
ギャラリーⅡ 展示室A
「華麗なる洋食器の競演」
洋食器の中でもひときわ優美なティーセットを中心に、ヨーロッパの名窯はもちろんのこと、日本で作られた数々の名品も交えて紹介していきます。Part1では、19世紀後半から20世紀初頭につくられたマイセンやセーブルなどの食器と、当時さかんに輸出されていた西浦焼など国産の食器による競演が繰り広げられます。Part2では、その後のモダンデザインの深化について、フランク・ロイド・ライトや森正洋ら陶磁器のインダストリアルデザイナーの台頭を踏まえて概観していきます。
ギャラリーⅡ 展示室B
「小さなオブジェの森」
静(死)と動(生)が混在する森。そこでは様々なオブジェが共鳴、共存しながら個々の物語を生み出しています。本展覧会では、フォルム、色彩、そして作品に宿るイメージを通じて作り手の思想や思考を雄弁に語り、独自の物語を紡ぎ出している作品に焦点を当て、「小さなオブジェの森」と題して紹介します。Part1、Part2を通じて、小さなフォルムにはかなさとエナジーを内包した、詩情豊かな作品をお楽しみいただきます。
ギャラリーⅡ 展示室B
粋なうつわの語らい
一口に「うつわ」といっても、用途や使われている加飾技法など実に様々ですが、ここでは、そのような個別の構成要素から少し離れて、個人作家が手掛けた「うつわ」自体が醸し出す小粋なしぐさに着目していきます。Part1では、近年めざましい活躍をとげる女性作家の作品を取り上げ、淑やかで優美、ときに意表を突く大胆な表情をご堪能ください。Part2では、シルエット・ラインの美しさに焦点を当てながら、洗練された「うつわ」の世界を紹介します。