14世紀前半から後半にかけては南北朝時代と呼ばれています。後醍醐天皇による正中の変(1324)や鎌倉幕府滅亡後の「建武の新政」開始(1334)と崩壊は、国内に大きな社会混乱を引き起こし、南朝政権と北朝を擁した室町幕府の対立は明徳3年(1392)の南北朝合体まで続きました。この時代は、のちの応仁の・文明の乱(1467-1477)にも匹敵する争乱の時代でした。
この社会混乱は、発掘調査でも認められています。濠や溝で囲まれた小城郭と呼べる屋敷地が登場し、集落も場所を移動していきます。それと共に溜池・丘陵開発が積極的に行われ、新たな耕作地が誕生しました。また、南河町は楠木正成の拠点であり、関連する遺跡も多数存在しています。
本展では、堺市内および周辺主要遺跡の発掘調査により出土した考古遺跡から、激動の社会を生きた人々の活動の痕跡などを紹介します。