「雑兵」とは、足軽などの最下級の兵士の総称です。彼らの活動が顕著となるのは、戦国時代から江戸時代初頭であり、その姿は「雑兵物語」という書物にいきいきと描かれています。
雑兵は、合戦の最前線で戦うため被害は大きく、歴史の中で埋もれてきました。しかし、彼らの着用した足軽胴には、意匠を凝らした文様(合印)が描かれ、同時代の形象兜 (変り兜)とともに戦人の美意識を感じることができます。
展示では、戦の表舞台に立ちながら歴史を蔭で支えた雑兵に焦点をあて、全国屈指の伊澤コレクションと周辺資料を網羅しながら、雑兵の姿と彼らの生きた時代の美意識を浮き彫りにします。