神戸の地は、古来、東アジアにつながる瀬戸内海の港として栄え、各時代を通じて重要な役割を果たしてきました。本展では、古代から中世の東アジアを視野にいれ、海と人々とのかかわり、海をめぐる交流の実態、それによって生み出された魅力あふれる文化の特色を明らかにします。考古・歴史・美術の3部門から、神戸にまつわる作品・資料を含め、国宝19件、重要文化財49件など約170件を展示します。
I.海を支配した豪族:
瀬戸内を拠点として活躍した豪族の実像を古墳の副葬品や船形埴輪などを通して探ります。
II.海をめぐる武士と僧:
古代・中世の瀬戸内海における港湾の修築、海上交通、港町を拠点とした仏教について、清盛、重源、律僧の叡尊や、時宗、法華宗の歴史上の人物をとりあげ、彼らの人間像をうかがわせる優れた肖像画や記録などを通して紹介します。
III.海を越えて響きあう美の世界:
大陸より海を越えて間断なくもたらされた様々な“美”を、我が国がどのように受容し、変容させていったのかを神戸市域に伝来したインド・中国の面影をやどす仏教美術、高麗仏画を主軸にすえ、浮き彫りにします。
「海の回廊」がもたらした貴重な作品・資料を通して、古代・中世の人々が生きた豊穣の世界をお楽しみください。