学校とは切り離せない教科書。明治時代から学校で使われてきた教科書の仲には,歴史上の人物,物語の人物ほかのさまざまな人間像が見られます。このたびは,京都市立学校の所蔵品の中から,それらの人々にちなんだ美術工芸品,教科書に出てくる人物を描いた絵画や人形や彫像・教科書に出てくる人物が書いた書などを中心に展示いたします。
神代の人物や二宮金次郎のように,現在ではあまりとりあげられなくなった人物,坂本龍馬のように明治期よりも見直されてきた人物,誰もがいつのまにか知っている物語の人物。あの人この人を紹介を楽しみながら,日本の歴史の歩みや教育の変化と共に,有名人の肖像が本人かどうかを問い直されたりするような,史料の発見や新説によって変わっていく学問の進展なども感じていただけるでしょう。
また,造形的にも見応えのある,学校に遺されてきた珠玉の作品の数々は,京都の町の文化の奥深さを垣間見せてくれます。