江戸時代の浮世絵版画は世界的に有名ですが、明治以後の日本でも版画は盛んでした。石版画や木口木版画、銅版画、さらに明治後半になると網板・写真版など、西洋から新しい技術が続々と導入され、また、西洋絵画技術がもたらされたこともあり、近代の版画は新しい世界を開拓していったといえます。
本展では、I章で明治時代の新奇な風俗などを鮮明に描いた石版画をとりあげ、Ⅱ章では今年生誕150周年を迎えたフランス人画家ジョルジュ・ビゴーに焦点をあて、そしてⅢ章では、現在まで通じる印刷技術の一端に迫ります。前後の二期で大きく作品を入れ替えることでより多くの作品を紹介し、近代版画の展開を感じて頂きたいと思います。