岡崎市美術博物館、岡崎市美術館、おかざき世界子ども美術博物館では、各々の収集方針に基づき、継続的に作品購入を行うと共に、寄託・寄贈による作品の受け入れを行っています。美術博物館では、館のコンセプトでもある「マインドスケープ(心象風景)」を象徴する美術作品として、20世紀前半に世界的に展開したシュルレアリスムの作品を収集するとともに、今ここに生きる私たちの考え方や感情を映し出す鏡とも言うべき現代作家の作品収集に努めています。また美術館では、岡崎市および東海地方ゆかりの作家の作品を中心に、郷土に根ざした美術品の収集を進めており、子ども美術博物館では、有名作家の10代の作品をはじめ、子どもへの美術教育を主眼にした作品の収集を行っています。
本展では、大正期を駆け抜けた夭折の画家村山槐多の作品をはじめ、現在、最も注目されるペインターの一人である村瀬恭子の作品から、シュルレアリスムを代表する女性作家レオノール・フィニの作品まで、平成20年度以降岡崎市が新たに収蔵した作品をご紹介し、併せて、ふだんお見せすることのできないコレクションの数々を展示いたします。
本展を通して、槐多と彼の従兄弟で岡崎市出身の画家山本鼎や愛美者の大澤鉦一郎などによる日本近代の作品群、ハンス・ベルメールやジョアン・ミロなど、シュルレアリスムの作品群、また村瀬恭子と同じく現役で活躍する作家たちの作品群という、岡崎市のコレクションんの3つの傾向をまとめてご覧いただけることと思います。
市民共有の財産である美術作品を、より多くの方にご覧いただく機会となれば幸いです。