本間美術館にある京雛は、本館「清遠閣」の建物に使用している北山杉をはじめ庭園にある木や石などと一緒に北前船によって運ばれてきたものです。また最上川舟運により酒田経由で京都に運ばれた紅花が、お雛様の衣裳にも使用されています。
最上川舟運と北前船によってもたらされた京雛をはじめとする本間美術館のお雛様の悠久なる文化を楽しみませんか。
敗戦直後の昭和二十三年から本間美術館の「ひなまつり」が始まりました。飾り始めて五十九年、人々の心をなごませております。おひなさまの白い顔にただよう静寂と微笑みを見るとき、平和の大切さを感じます。桃の節句を待ち遠しくおもい、そのときにしか逢うことのできない古典人形。最上川舟運と北前船によってもたらされた京雛をはじめ、年代順に睦まじく並ぶおひなさま。大きな顔の丸々と太った御所人形。そしてさまざまな衣裳人形と庄内押絵の数々。本間美術館古典人形コレクションが一堂に展示されるおひなさまの季節に、ぜひご来館下さい。皆様を心よりお待ち申し上げております。