印象派の巨匠クロード・モネが晩年に移り住みアトリエを構えたジヴェルニーは、パリから西に約80キロほどのセーヌ川の右岸にある風光明媚な小さな村。モネの噂を聞きつけて1880年代半ばにやってきたアメリカ人画家たちの滞在をきっかけに、芸術家のコロニーが形成されました。村は賑わいを見せ、ピークを過ぎる1915年までには通算300人以上の画家が長期滞在しました。訪れる画家が増えるにつれ、この村は一方でステレオタイプな場所にもなっていきましたが、画家たちは描く対象を自然から人物や村の暮らしに移すなど、常に斬新なものを求め、独自の様式に到達していきます。それはまたアメリカ印象派誕生の軌跡でもありました。
本展はモネの作品に加え、日本で殆ど紹介されることのなかったアメリカ人画家の油彩、約75点で構成されます。ジヴェルニーの自然と村の暮らしを描いたこれらの作品は、新鮮な感動を呼び起こすことでしょう。