フランス北東部アルザス地方の中心都市ストラスブールは、ライン河沿いの交通の要所として古くから栄え、フランスとドイツの文化が融合した観光の名所でもある。美術館・博物館も多く、ストラスブール美術館と総称する中には10の施設がある。本展はそのうちの古典美術館と近現代美術館が収蔵する風景画の秀作約80点で構成される。展覧会は6つの章に分かれ、「窓からの風景」、「人物のいる風景」、「都市の風景」、「水辺の風景」、「田園の風景」、「木のある風景」として、ヨーロッパ近代美術における風景画を体系的にたどりながら、その特徴を分かりやすく説明する。本展ではコロー、クールベ、モネ、シスレー、シニャック、デュフィといったフランス近代絵画を代表する画家の作品に加え、ストラスブールを拠点に活動した日本であまり知られることがなかった才能豊かな画家たちが描いた風景画も堪能することができる。また、ピカソ、カンディンスキー、エルンストらの描く意外な風景画も、展覧会に華を添えている。