風と水は流動的でかたちを持たないものですが、美術のなかではそれらを捉えたさまざまな表現がみられます。たとればそれは、絵具の濃淡や線描で表されることもあれば、デザイン化されたり色で表されたりすることもあります。本展では日本海画を中心に、時代を超えて表現される風と水のさまざまな姿、景色をご覧頂きます。表現されたイメージには、そこに託された気持ちが喚起されるものです。日本の伝統文芸などに風や水に託した情感表現が多数見られるように、描かれた風と水にも、それぞれにまつわる言説や自然観を見出すこともできるでしょう。作品に込められた想いを味わいながら、風・水の流れや音を想像し、季節の涼としてご鑑賞頂ければ幸いです。
前期:7/3~8/1
後期:8/3~8/31