觀海庵では、国宝「青磁下蕪花瓶」を中心に原六郎コレクションの名品を紹介いたします。丸く豊かに張った銅の形から、日本の茶人に下蕪と呼ばれる「青磁下蕪花瓶」は、中国より伝来した青磁花瓶の白眉と評されます。日本で国宝に指定されている中国の青磁花瓶は3点ですが、「青磁下蕪花瓶」はその1つ。淡い青の釉薬の美しさ、そして、滑らかな肌合いと柔らかな丸みが調和した均整美をそなえます。また、狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)や円山応挙「淀川両岸図巻」など、日本近世絵画の優品も展示いたします。名品が取り合わせられるこの機会に、時代や地域を越えた美と造形の対話をぜひご堪能ください。