「PLATFORM2010」は、今年からはじまる現代美術を継続的に紹介するシリーズです。ジャンルに拘ることなく幅広い視野で、現代美術の動向の一端を取り上げます。
心はいつも何かと格闘している。社会問題や世界情勢を憂い、歴史や芸術に想いを馳せ、手にする愛や望む未来に心寄せては、またざわめく。“自分という実感”を新たな角度で考える一筋の手だてとして現代美術と向き合ってみよう。それが現代を生きる私たちの心が生み出した、私たち自身の美術である以上、現代美術は今の自分と切り離された、遠いところにある美術ではなく、いつもの自分の領域に存在する美術、自身に内在する美術として、きっと何かを示してくれるにちがいない。PLATFORMは、現代美術で考え、現代美術を実感する場。2010年の第1回目は、寺田真由美と若林砂絵子。両者の作品の舞台はともに「私の中」。寺田の作品は、純粋なまでに躊躇のない、沸き起こる感情のナレーションを見せ、若林の作品は、今そこに存在する自分と、その先を望む自分の狭間で生じた、喜びと苦悩の造形。あなたは何を見、何を考え、そして何を実感するだろうか?