奈良をこよなく愛し、奈良の古寺や仏像、風物などの美しさを詠み上げた
會津八一。また書家にして、東洋美術史家でもあった八一は、新潟市で生
まれ、晩年またふるさとに戻って生活しました。
本展では、まず「新潟の八一」というテーマで、晩年の八一の活動・交流
の足跡を新潟に残る墨蹟・写真・関連物品などで紹介します。その後、時
間を遡り、奈良で八一に出会い、その勧めで仏像写真の世界に進んだ写
真家・小川晴暘の作品や、二人の関わりを紹介する書簡を展示します。さ
らに仏像の魅力を国内だけでなく海外に広める役割も果たした晴暘の業績
を、中国雲崗の石窟の写真やスケッチなどでたどります。合わせて彼の後
を引き継いで、仏像写真に取り組んでいる息子 光三の作品も紹介します。
歌と写真という異なった表現で、奈良の仏像の美を、情熱を傾けて表現し
た文人・八一と写真家・小川晴暘。二人を魅了した仏像の美、芸術の世界、
そしてふるさと新潟の八一を、この機会にご鑑賞下さい。