東京都写真美術館の映像の基本コンセプトである5つのテーマ「イマジネーションの表現」「アニメーション」「立体視」「拡大と縮小」「記録としての映像」について、平成20年度よりひとつずつ取り上げ、収蔵作品を中心に、多彩な特別展示とあわせて構成していくシリーズ[映像をめぐる冒険]。シリーズを通じて、映像前史ともいえる視覚をめぐるさまざまな試みや工夫の歴史から、最新の技術を生かした現代の表現までを幅広く紹介します。あわせて、方法論としてあるいは概念としての「映像」について、毎回さまざまな角度から探究していきます。
第2回となる本年は、「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」と題し、抽象アニメーションの世界をとりあげます。アニメーションの原理をわかりやすく示しながら、一般にイメージされるキャラクター・アニメーション(具象的な物や人、生物などのキャラクターが登場し、物語を進行するアニメーション)とは違う、もうひとつのアニメーション史を紹介するとともに、あわせて、気鋭のアーティスト・石田尚志による新旧の作品を、特集展示いたします。