江戸時代後期(18世紀後半)以降、盛んに制作され、人々を魅了した木版多色摺浮世絵は、「錦のように美しい」という意味で、錦絵と総称されます。錦絵は、現代のテレビコマーシャルやポスターのような報道的な役割をも担い、人々は絵を楽しむと共に、そこから様々な情報を得ていました。その錦絵界を代表する浮世絵師、歌川国貞(三世歌川豊国、1786-1864)と歌川広重(1797-1858)。特に、国貞は美人画と役者絵、広重は風景画の名手として知られています。
本展では、この二人の作品の中から代表作を選び、精緻を極めた彫り・摺りの技術的側面にも光を当てつつ展示いたします。いきいきとしたした江戸の女性たちの姿や、旅情あふれる名所の数々を、鮮やかで美しい色彩と共にお楽しみください。