このたび没後120年を記念して、幕末・明治期に活躍した画家・河鍋暁斎(天保2・1831年~明治22・1889年)の展覧会を開催します。
暁斎は下総(しもうさ)国古河(こが)(現茨城県古河市)に生まれました。まもなく江戸に移住、7歳より浮世絵師・歌川国芳や狩野派絵師らに絵を学び、27歳で独立しました。以降、狩野派の修業を基とした、圧巻の画技による歴史画や美人画、蛙、骸骨、妖怪などをモチーフに、世相を風刺した戯画で人気を博し、その名聞や作品は、明治9年に来日したフランス人収集家エミール・ギメや明治14年頃暁斎に入門した英国人建築家ジョサイア・コンドルらによって海外へも伝えられました。
また暁斎は、伊豆に関わりの深い画家でもあります。兄・甲斐直次郎は韮山代官江川坦庵の配下であり、その子芳太郎は徳川家達の駿府転封にともない暁斎の母と沼津に移り住みました。その縁で暁斎は同地をたびたび訪れ、作品を描き残しました。
本展はゆかりの地で開催される初の回顧展として、伊豆関連の作品資料を含む約100点の代表作を展示します。激動の世を鋭く鮮やかに描き尽くした暁斎、その画道一筋の生涯をご覧下さい。