美術品コレクター、音楽評論家として知られる河野保雄氏のコレクション展。
河野氏は、1990(平成2)年6月、福島市に百点美術館を開設しました。そこに展示されたものはすべて、河野氏が長年にわたり収集してこられた美術品で、青木繁、岸田劉生、長谷川利行といった日本近代美術を代表する画家たちによる珠玉の作品群でした。同館はコンサートなども開催し、福島県の美術発展において多大な役割を果たしましたが、2006(平成18)年に惜しまれつつ閉館しました。
この展覧会は、河野氏が「おもちゃ箱のように」という思いのもと、氏がこれまで独自の審美眼をもって収集した作品に、新たな出会いによって加えた作品を含めた約180点で構成されます。ジャンルを問わないユニークなものばかりで、河野保雄という個人のロマンや夢を代弁するものとして集められたものです。ゆえに、日本の近代美術史では決して語られないであろう作家の作品や、絵本の原画や版画、そしてガラス絵など、普段はあまり眼にすることのできない作品のみで構成されたたいへん珍しい展覧会になっています。