2世紀-3世紀頃のギリシアの詩人ロンゴス(生没年不詳)により書かれた恋愛文学『ダフニスとクロエ』は、モーリス・ラヴェルのバレエ音楽をはじめ、三島由紀夫の小説『潮騒』に影響を与えるなど、古今東西のさまざまなアーティストの創造の源泉ともなっています。レスボス島出身の美術出版者テリアドに依頼を受けたシャガールは、この版画制作のためにギリシアを取材して廻りました。その時滞在したアテネ、ボロス島、オリンピアなどの風景や地中海の光はシャガールに鮮烈な印象を残しました。20色以上の色を用いて表現した物語には、色彩の魔術師と称されるシャガールの芸術が凝縮されています。 今回はシャガールの版画の代表作にして色彩リトグラフの最高傑作ともいえる《ダフニスとクロエ》、全42点を、前・後期に分けて展示いたします。
前期:4月6日(火)~5月23日(日)
後期:5月25日(火)~7月4日(日)