ヤング・ポートフォリオは、上限の35歳まで何度でも応募することができ、選考委員は毎年替わりますが、一度作品購入となった写真家は、複数年にわたって購入されるケースが多いことが特徴です。結果として、当館のパーマネント・コレクションには、20代、30代の間に生まれた、ダイナミックな展開を見ることのできる作品群となって蓄積され、館外での展覧会に出品される機会も生まれようとしています。たとえば、バングラデシュの写真家G.M.B.アカシュ(1977-)は2002年からこれまで、7年間にわたり毎年収蔵しており、これまでの収蔵枚数は119枚。また、亀山亮は(日本、1976-)1999年から2001年を除く毎年でこれまでの合計が121枚、そしてラファル・ミラフ(ポーランド、1978-)は、2003年から毎年と、それぞれ継続して収蔵しています。初年度の購入枚数はわずか1、2枚でも、購入されたことをきっかけとして、自信をもって作品制作を続け、やがて購入枚数が増えて行く様には、写真表現に託す若者の熱い思いとのびやかな成長を見ることができます。
私たちは、若い写真家の作品を収蔵し、保存することで、彼らが<いま>を生きることに写真を通して向き合い、時代に向けて発信した力強い眼差しを未来へ繋いで行きたいと考えています。