北澤美術館では、19世紀末から20世紀前半にかけてのアール・ヌーヴォー/アール・デコ期のガラス作品を常設展示しております。このたび、20世紀前半ウィーンのバーナーワークに焦点を当てた企画展を開催いたします。
「ビミニ」BIMINIは、ガラスに見せられたウィーンの詩人フリッツ・ランプル(1892-1955)が、アール・デコ期の1923年ウィーンに設立したガラス工房です。工房の名前は、ハインリッヒ・ハイネの詩にある空想の島の名にあやかり、「ビミニ」と名づけられました。カラフルで陽気なビミニの作品は、色ガラスの棒をバーナーの炎にかざして、熔かしながら細工する「バーナーワーク」という技法で制作されています。ビミニの工房のファンタジーは、1925年のアール・デコ博覧会(パリ)の会場でも人気を博しました。ランプルはガラス作品を「フローズン・ポエトリー」(凍らせた詩)とみなしていました。詩情とユーモアに溢れるビミニの作品は、彼の没後も人気を保ち、現在でも熱心なファンが絶えません。このたび清里北澤美術館では、SUWAガラスの里のご協力により、国内では珍しいビミニのコレクションを特別展示いたします。