極彩色で描いた湧き上がるイメージ
木村昭平(1949-/刈谷生まれ)は、貧しくとも愛に満ちた実生活や世界の文学・宗教から湧き上がるイメージなどを、サイケデリックな色彩によって画面にぎっしりと描き込んでいくユニークな画家・絵本作家です。「私の絵は心の中にあるものを拾い続ける作業」と語る木村が展開してきた奔放でプリミティブな表現は、人間の存在を不思議な物語で綴る『ポポリン』やイースター島を舞台にした『大きな石のモアイ』など、絵本の世界でも特異な魅力を放っています。
本展覧会では、初期から近年までの主要な絵画作品や絵本原画、版画、オブジェなど約100点のほか、彼が長年にわたって拾い集めたさまざまなモノを用いたインスタレーションも合わせて展示します。「拾い」を美学に昇華させようとする奇想天外な木村昭平ワールド。それは、新たな価値観との出合いになることでしょう。