横山裕一は1967年宮崎に生まれ、絵画を学んだのち、時間を描くことのできる表現方法として漫画を選びとり、以降独創的な作品を生み出し続けています。目的不明の大土木工事を描いた「ニュー土木」、不思議な鉄道旅行の一部始終を描いた「トラベル」など、その時間と空間がおりなす新しい世界は、国内外を問わず、またジャンルを超えて高い評価を得てきました。
今回は、当館の2008年度収蔵・寄託作品となった『ニュー土木』『トラベル』『NIWA』所収原画を中心に、活動の最初期から現在に至るまでの作品を展示し、作家の軌跡とその芸術を包括的に提示する初の機会となります。横山裕一が描き出した新しい漫画のかたち、「ネオ漫画」ともよばれる独特の表現と、その圧倒的な世界観をご覧ください。