葛飾北斎(1760-1849)は「冨嶽三十六景」や『北斎漫画』を生み出した浮世絵師として日本のみならず世界にその名が知れ渡っています。今年は北斎が生誕して250周年という節目の年にあたりますが、本展覧会ではそれを記念し、北斎の多岐に渡る活動を様々な視点で紹介いたします。前期を〈変貌し続ける才能〉、後期を〈晩年の境地「冨嶽三十六景」〉と題する二部構成で行い、合わせて200点あまりの作品を展示いたします。
北斎といえば天才的な才能を持つ浮世絵師と思われる方も多いかも知れません。しかしデビューしたての若い頃の知名度はそれほど高くはなく、代表作「冨嶽三十六景」の完成は70歳を過ぎてからでした。
従来行われている北斎の展覧会では北斎の業績のみに注目が集まることがほとんどでしたが、本展覧会では、北斎の師匠である勝川春章、あるいは同時代に活躍した喜多川歌麿や東洲斎写楽、歌川広重などのライバルたちの作品を交えて紹介することで、北斎の才能を検証するとともに、北斎がしのぎを削っていた当時の浮世絵界の様子もお伝えします。
前期:6/1~6/27 変貌し続ける才能
後期:7/1~7/25 晩年の境地「冨嶽三十六景」